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1998/04/22 第12回

1998/04/22 第12回

児島 仁氏 : (NTT前社長)
「情報と人間」

 

児島 仁氏 : (NTT前社長)

1930年12月5日生まれ。日本電信電話株式会社相談役。北海道出身。1943年北海道大学法経学部卒業。 同年日本電信電話公社入社後、72年総裁室文書課長、74年東京電気通信局副局長、77年業務管理局次長、78年東北電気通信局長、80年職員局長、83 年理事 総務理事、85年日本電信電話株式会社常務取締役、86年代表取締役副社長、90年代表取締役社長、96年取締役相談役、現在に至る。

ただいまご紹介いただきました児島でございます。今日のテーマは情報と人間になっていますが、こんな表題に合うような立派な話になるかどうかわかりません。
 動物も人間もすべて情報なしでは生きられないし、情報に支えられていると思います。その情報で人生も左右される。動物も下手したら命を失うということですね。
 情報というのは、今非常にもてはやされているマルチメディアだとか光ファイバーだとかインターネットだとかそれが情報という錯覚に陥ってますけれども、 実は情報というのはもう山程あって匂いも情報、聞くのも情報、五感が捕らえる物は全部情報なんですね。それから、頭が論理的にある知識を得るというのも情 報です。
 しかし、一般にはインターネットとか、コンピュータがどうしたとか、光ファイバーがどうしたとか、情報社会とかいろいろと言われていますが、そっちの方の技術開発あるいはその効用、それがビジネスにどうなってくるかという事がほとんどのテーマになってます。
 そういった事に私も携わってきたんですが、今、私が関心があるのは、もっと人間くさい情報という物に非常に興味を持っています。強いて言いますと、ドラ イな情報とウエットな情報があると思います。ドライな情報というのは、要するに言うなら知識ですね。新聞で読む知識、本で読む知識、そういったハードな知 識ですね。
 もう一つウエットな情報というのは何といいますか、ちょっと人間臭くなりまして、情緒に作用するような情報、それからあるいは知識ではなくて、知恵を形づくるような情報、大きくいって二つあると思うんですね。今日は、○○の方の情報に重点を置いて話したいと思います。
 今、日本は景気が悪いと言ってますけど、製造業はやはり世界一でありまして、自動車も強いし、造船も鉄鋼は良くなりましたから、各造船会社に2年分ぐら いもうドッグに予約が入ってるというぐらいですし、いろんな所が結構強いんですね。その製造業はやはり世界で一番良いんだろうと思います。
 こういった製造業が成功している基は何かというと全部技術なんです。つまり日本では原材料は何もありませんから、その原材料を掘って外国にストンと生で 売るという事はしかねる。結局、膨大なる材料を買って来てそれを製品に作って付加価値を付けて外国に売る事によって、1億2千万人が食っていけてる状態で す。
 要するにカスリ、言葉は悪いけどカスリで食ってるというか、付加価値で食ってるという事です。付加価値の基を成すのは知恵と技術なんですね。両方同じです。裏表です。日本には原材料が何もなくて、資産というのは人間だけだという事です。
 ですから、日本は、明治以来人間の知恵と技術だけで食って来て、当時4千万人の人口しかいなかったのが今は1億2千万人でも生活程度が想像できないぐらい、明治時代より良くなって今のこの社会があるわけです。これはひとえにその技術なんです。
 そうすると、今、製造業は世界一と言いましたけれども、今後人間の頭脳をうまく使えば手軽でしかも付加価値の高い産業というものは何かというと、やはり電気通信というかコンピュータ関係の情報産業なんです。
 数年前当時、私は社長をやってまして、「電話という声でやる通信というのはこれはそのうち廃れていくねと、これにしがみついているとNTTは安楽死する よりしょうがない。だから、ここで技術開発をがんがんやってですね、いわゆる、今は流行言葉になってしまいましたが、マルチメディアを駆使する会社になろ う」と思いました。
 当時、マルチメディアの基礎を成すような人材もいなければ、そのコンセプトをしっかり持っている者もいないんですけれども、30人ぐらいの若手を集めて かんかんがくがくやり出して、「これからはもう電話はやめたと。マルチメディア屋になる」なんて事をプレスにも発表しました。その時は、正直告白するとこ んな大袈裟な事を言って、果たしてうまく行くんだろうか。
 俺は公的に詐欺を働いているんではないかという気がしましたが、日本人の頭脳というのは大変なんですね。うちの通信研究所なんかも面白い連中がいます が、大学の協力も得て、マルチメディアだけで来年か再来年に1兆円の水揚げがでるようになります。さらにもっと行くと思います。それの基礎もやはり研究開 発なんですね、技術力なんですね。
 わが社の研究所には、現場にいる研究者から、基本研究をやっている連中を入れて、8千人ぐらいいるんです。ドクターは何千人いるのかわかりませんが、な かなか優秀なんです。この前新聞で、お読みになったと思いますけど、暗号技術というのは、やはりアメリカと日本が最高であります。
 アメリカが最高で日本は駄目だなんて言われてましたけれども、もう7、8年前にフィールという暗号システムを作って、これはアメリカと肩を並べるぐらい の強さだったんです。それともうひとつ、お読みなったと思いますが、これを解読するにはスーパーコンピュータを使って数百年かかるだろうというものを作っ たんですね。
 これをどういうふうな格好で売って行くか、相当な金を生むと思いますが、その暗号技術が世界に売れて行く。そういった点は結構強いんですね。昔から将棋で、200種類ぐらい名詰め将棋というのがあるらしいんですが、難しいのは大変なんですね。解けない。
 勘で解いてしまうという事もあるんですが、それをコンピュータで、これもスパコンでやったら、200年ぐらいかかるんじゃないかというのをアルゴリズム 駆使して37歳のうちのドクターがその詰め将棋を解いてしまった。そういった基礎があるんです。話がちょっと元に戻ります。そういった基礎の中から暗号技 術というのが出てくる。
 これなんかも世界に冠たる初めだと思う。その他、いろんなのがあるんですよ。小さい小さい粉がありまして、これは水を弾くという技術、これは工業化したら、おそらく世界で超・超一流の会社になると思います。
 しかし、基礎研究で理論的には出来ても工業化する時にはなかなかうまくいかないんですが、まだ基礎研究が大切です。
 明治以来、日本の経済を支えて来たのは、綿布だったり、絹であったり、おもちゃであったり、自動車であったり、次から次に出て来て1億2千万人を食わし たんですけど、これから電気通信産業もかなりの部分、国に寄与出来るということになると思います。根本は、くり返して言いますけど、世界に先駆けてやって しまう技術開発能力とこの展開力ですね。これがあれば日本はなかなか負けないと思っております。
 今大変不景気ですけれども、何か引き金があればそういったものがまた花咲いていくんだろうと思います。生まれた時に人間はあらゆる可能性を持っているん ですね。総理大臣になれるかも分からない。アメリカの大統領はちょっと国籍が違いますから駄目ですが、浮浪者になろうと思ったらなれる可能性もある。絵か きになる可能性もある。社長さんになる可能性もある。大学の教授になる可能性もある。
 生まれた時は全部ある。可能性を面で表すと360度の可能性があるんですね。しかし人間だんだん年取るにしたがって、可能性が減って来る。まず第一は職 業を選んだ時、サラリーマンになったら、死ぬまでサラリーマン。だいたいね。俺はサラリーマンというので180度になってしまう。もう絵かきにはなれな い。もう総理大臣にはなれない。
 じゃあサラリーマンで死ぬまでいくか、しかし、サラリーマンとしての展開はまだ180度ですが、突然90度になります。これは結婚なんですね。結婚した らやはり責任を持ちますから、なんとか首にならないように生きようかとだんだん小さくなって来る。そのうち子供が出来たら、子供はやはり食わせなくちゃい けない。学校も行かせないといけないとだんだん狭くなってくる。人間がどんどん面白くなくなる。
 しかし、その中身をいかに濃くしていくかというのは、これは情報だと思うんですね。情報。それは知識という情報よりも非常に情緒に傾いた方のものだと思 います。よく例にとるんですけれども、吉田松陰なんていうのは、本当に6畳間の粗末な所で子供を教えたんですね。足軽の子、農家の息子、豪士らしき者の息 子、それから下級武士の息子。
 これは入学試験を受けて入れたわけではないですから、頭の良さ、悪さも分からないし、どれだけ能力があるかもわからないけれども、教えられたんですね。 吉田松陰というのはとにかく興味のある男で尊王攘夷を言っていると思えば、いやいや、これはどうも違うかも分からんと、アメリカを見て来なければ本当の判 断は出来ないなというので彼はアメリカの軍艦に乗って、英語もしゃべれないのに連れて行ってくれという。
 逮捕されて獄に入れられて、結局は死ぬわけなんです。たまたま、薩長が明治維新に勝ちましたから、長州が良くなったのは当然と言えば当然なんですが、そ の時に長州を動かしたのは、ほとんどが吉田松陰の教え子だったんですね。山県有朋、伊藤俊介、高杉晋作もそうですよ。もっといっぱいいます。
 そういう人材が育ったというのは、おそらく論語の素読とか、書を読んだりしたと思うんですけど、おそらく吉田松陰が一つの知識を与えたものの解説の中で それがどういう人生に意義があるんだと、あるいはどういう教えがあるんだという事を語る中でその知識というものが彼等の知恵に変わったと思うんですね。知 恵に変わったものが埋め込まれてますから、彼等はいろんな応用動作ができるようになってくる。それでどんどん成長したと思うんですね。
 知識というものを次の運用のために、知恵に持ってくるかというのが非常に僕は大事な事だと思う。ただし、そうは言っても基本的に知識が大量にないと知恵 に廻って行く部分も少なくなりますから、やはりまず知識は大事だと思うんです。知らないという事は恐怖と同じなんですね。どこか外国へお前明日行って来い と言われて、その国の実態を全然知らないとこれは恐怖ですよ。しかし、よく分かってれば平気で行って来る。
 もっと原始的な話をすれば、日食なんてのは昔の原始人は、それは突然真っ昼間が夜になるわけですから、おそらく恐怖で自分の穴倉に帰るわけにも行かない から、地にひれ伏して泣叫んだかも分からないですけど、それが天文学というのがはっきりして来て、日食というのはこうなって出来るんだよという事になった ら突然興味に変わるわけです。恐怖が興味に変わる。
 日食というものはこういうものだよと分かった瞬間に日食は恐怖でなくて興味に変わってくる。そういうのは人生にいっぱいありますよね。僕に言わせれば先 天的に剛胆で勇敢な人というのはあんまりいないと思うんですよ。我々も動物ですから、絶対警戒心の方が強いに決まってるんです。その時に剛胆で物を物とも 思わずやる人というのは凄いと皆言うんですけど、僕はむしろそれは知識と経験が彼の剛胆さ等を裏打ちしている。
 今言ったように日食もこうだと思えば恐くない。知識もいっぱい知ってれば、いや、あれはこういう事なんだから恐くない。これはこういう事だから警戒しな ければいけないと分類出来ますね。その知識がたくさんになれば、知らないための恐怖の域というのはどんどん向こうへ遠退いていくわけです。ここまでは恐く ない。ここまでは大丈夫だ。そうすると彼の活動のフィールドが広がりますね。ここまでは安全だと思ってますから、彼に乱暴してる意識が全くない。
 全く恬淡として動いているんですけども、知識の少ない人から見たら恐怖の向こうで動いているこの男は何と剛胆な男だろうと尊敬する。ところが彼にしてみ ればここまでは恐くないと分かってますから、たいした立派な事をやってるという意識はないんですね。だから、いっぱいの知識を持てば持つ程その恐怖の世界 はずーっと遠退いて行って自分の活動出来るフィールドというのはどんどん広くなる。これはたいへんな力だと思うんです。
 さらにその知識というものを知恵に結びつけるというところで、もう一つ膨らみが出てくると思うんです。
 小学校から中学、高校に行った時にちょうど大人になり盛り、生意気盛りだし、悪い事をしたがる年なんですから、この教育指導というのは大変だと思います が、もし中学、高校でも知識の切り売りをしてるとすれば、これは絶対に先生のばかという事になると思いますね。ただ、ある事実を知識として、勉強として教 えて、それとなくその背景を語ってやるという事になれば、そこで彼等はものを考え、これはそういうふうに見るのかというふうに育っていくと思うんです。
 今言ったように、例えば、僕は最近、知らないくせに言ってはいけませんが、例えば、どこかでサーモンが捕れるとこれを日本が輸入していると社会で習った としますか、それを何万tと日本が輸入していて、それに何億円払ってるというのはまさに知識ですよね。事実の知識です。その時に先生が何故輸入しなくては いけないんだと、これは日本がこうこうで、今、帰ってきているからもういいんだとか、暖流というのは氷山というものはプランクトンがいっぱいいてとか、そ ういった事をチラチラと話す中で事実が非常に膨らんできて、膨らんでくれば、食い付き易いんですね。いろんな人が。
 そういうふうな教え方というものをしないと先生も大変だと思うんです。学問、それだけを与えてこれで学校を終わったというのではなくて、それが子供たち の情緒を刺激し、新しく物を考えるような知恵の方に傾いてくるような教育というものがないといくら教科を変えても駄目です。学校の勉強は山程できるけど、 つき合って全然面白くなくて尊敬出来ない人いますよ。要は知識も大事なんだけれども、知恵の豊かな日本社会というのが出来たらいいなと、以上、感じた事を 申し述べたわけであります。
 大変つまらない話を長い事、話しまして恐縮でした。以上です。

永井さんの方が登場しましたので、これからトークショーの方に参加していただきたいと思います。それではよろしくお願いします。

 永井
初めの10分程、聞き逃したものですから、大変申し訳ございません。お話を伺って、あとにはい つもトークショーという形でこのようにお話を伺う事になっております。永井と申します。よろしくお願い致します。トークショーは、基調講演いただきました 児島さんに皆さんから事前に質問を頂戴しましたアンケートで、それを中心に伺って行きたいと思います。テンポよく、出来たら、7つ、8つぐらい出来たらい いなと思っております。では、一木さんから最初の質問をお願いします。 ***
一木 最初の質問です。これも恒例の質問ですけど、ちょうど我々30代の人間が多いんですけれども、30代の頃の児島さんの目標とその後の経過について、それから、お話の中に出たかもと思いますが、人生の中で、今まで最も印象に残っている出来事は何ですか。
児島 30歳代は結論から言いますと何も考えてませんでした。要するに、30歳代の頃に与えられた仕 事は大変面白い仕事で、この仕事をずっと続けてさせてもらえれば出世しなくてもいいなと、これは格好良く言ってるのではなくて、本当にそう思ってました。 それは、背景がありまして、僕は随分小さい時に両親が亡くなりまして兄貴に育てられたんですが、その他の人にも協力、応援してもらって出れないと思ってい た学校も出たんです。サラリーマンになった時に、要するにこれでもう周りの人に迷惑かけないです済むと思いました。だから、面白い仕事があればいい、たま たまいい仕事で、面白い仕事があったので、それに埋没してしまいました。ある意味では堕落した人間だったですな。
永井 具体的にはどんな仕事だったんですか。
児島 その時は、当時電々公社も若い者に結構仕事を任せていた。今は分業、分業になってしまいましたけどね。職員の採用と訓練と、それから人間の配置という仕事をやるポスト。それは地方なんですけど、非常に面白かったですね。具体的に言わないと分からないと思いますが。
永井 人事と考えてよろしいですか。
児島 例えば採用でも当時電々公社というのは官庁みたいなものですから、一年に何人しか採らないよと か、人件費がどうしたとか、初任給がどうとか、どんどん技術が難しくなってきますし、いい人材を採らないといけない。当時大学卒を採らないで高校卒がほと んどだったんですね。高校卒でも非常に優秀な人がいるので、優秀な子を採らないといけないというので、その頃、たまたま、東京から北海道へ転勤していっ た。有力な校長先生に全部一等旅費を送ったんです。とにかく札幌に来てくれと、本来だったら、そんなお金を出していいかどうか分からないけど、そうやって 来てもらった。その時、先生に誓った。 先生の学校で一番から三番は無試験で採ります。当時は一応格好付けても試験をやらないと格好がつかないんですけど。それから来年は何人採りますと先に宣言 してしちゃうわけ。ところが本社の方で来年の予算も決まってない。とんでもない話だよ、お前は懲罰委員会にかけると言われましてね、それで、かけるならか けて見ろと言ったんだけど、かかりませんでしたけどね。地方でやりたい放題やったようですが、それは決して会社のために悪くないという自信がありましたか ら、非常に楽しかったですね。
永井 やりたい事をやっていた割にはそれが評価に何か繋がったんでしょうね。結果という意味で。
児島 大会社というのは非常に有利なところありまして、上司と部下がいますね。ところが異動が激しい んですよ。特に官庁めいたい所は、2年ぐらいで転勤してしまうでしょう。どんな嫌な奴がいても、これは2年辛抱したらいなくなっちゃうんだ。今度は僕が変 わってしまうかも分からない。だからまたやり直し、サイコロはまたそこから振られるわけです。ただ、小さい会社は社長さんが50年もやってるところだった ら、恨まれたら駄目だと思いますけれど、大会社の一番の効用はそれですな。一人の上司と20年も一緒に仕事をやるという事はない。だから嫌な奴に会っても こいつは早くどこかにいけと思って、顔で笑って心で軽蔑している内に世の中変わるというものですから。
永井 たまたま嫌な上司の時には辛抱する時期もあったがと
児島 それはそうですよ。
永井 電々公社入社して面白い事も、面白くないなあと思う事も随分あったなんてさっきポロとおっしゃってましたけど、面白くない事って例えばどんな事ですか。
児島
当時はいろんなしがらみがありまして、仕事やるにも国会で審議されると決まってるんですね。仕 事にもフレキシビリティがないし、いろいろ決まってますから、管理職も間違わないという事が一番の命題なんですね。新しい事をやろうと思っても出来ないん ですから。与えられた仕事の中で何が大事かというと間違わないという事。ですから、空気がものすごく面白くないわけ、ですから毎日、転職の新聞広告記事 を見てました。
永井 あーそうですか。
児島 ところが当時は新聞広告をいくら見ても25歳未満というんですな。求人が。25歳を超えて、瞬間に俺はもう駄目だと思った。
永井 やはり官庁のようなところと今おっしゃっていましたけれど、失敗をしないという事とそれから前 例がない事はしない。新しい事をするのにすごく、お役所仕事なんて一くくりにして言ってしまいますけれども、それに対するもんもんとした思いがあった場合 にどうやってそれを克服してらしたんですか。
児島 克服というのは結局、少しずつステータスがあがりますよね。そうすると責任のある仕事を与えら れますね。それに面白いのがありますよ。そういう会社ですと、前任者がほとんど変わった事をやってませんから、宝の山みたいな所があるんですね。新しい事 をやるという、そうするとだんだん仕事が面白くなってくるわけ。ポストがあがるに従って権限も増えるし、その範囲も広がってきますから、その辺から辞める というのは忘れましたね。だんだん面白くなってきた。
永井 その場合に、自分が新しい事をやる時に必要な事、例えば、根まわしとか、政治的な権力を持ってる人は誰かキーパーソンを見極めるとか、何かそういうので何か私たしにヒントになるような事ってないですか。
児島 それはないですなあ。ただ、これはどうしてもやらなくちゃいかんという時に反対するであろうい ろんな関係する部署があるでしょう。この部長さんは絶対に反対するねと。もうひどかったなあ、あの頃は。本当に乱暴だった。文書を回さないんですよね。普 通、合議となるでしょう。僕はパンと判子を押して、自分の所の部長の判子をもらって、ぱっと一番偉い人のを押してもらって、決まった、決まったという。 後でボロクソに言われましたけれどね。
永井 途中にいる人たちの立場はという感じですね。
児島 それはひどいと真から怒ったと思いますね。・・・
児島 幸せ者ですよ。私も今非常に温厚な人間になりましたから、その頃はそれでいいんじゃないかと思っていましたけどね。
児島 それが大会社だから、いくら憎まれてもその人はいなくなってしまうんですから。もっとも当時そこまでは読んでませんでしけどんね。だけど結果として。

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永井 良かったですね。きれいにいなくなられて、そうですか。 続いての質問は。ちょっと変えてよろしいですか。
児島 はい。
永井 今のお話の延長でお伺いたいんですけれども、プロフィールといいますか、今までの経歴を拝見し ていると本当にプロパーでいらっしゃって、そういう方にあえて伺いたいんですけれども、今、大企業の、大手企業の天下りでクローズアップされてきているん ですけれども、大きい所では大蔵省がずっと新聞に載っていますが、先週なんか警察のOBを、そんなに大きくない会社が、信号機の設備会社、管理会社ですよ ね。警察のOBを迎え入れれば独占出来るんじゃないかといって、まんまとシェアを独占して、そして結果脱税事件で捕まったという事件もありましたけど、こ の天下りという事に関してはどのように。
児島 いろんなケースがあって、全てが駄目というのもおかしいと思う。その根本は、人間は死ぬまでは 生きなくちゃいけないわけでしょう。そうすると、子供が育ってないとかいろんな事があれば、やはりお金が欲しいわけですよ。戦前の話ですから、これは役に も立ちませんが、官庁に勤めて国会でいろんな答弁をしたり、何かやったりしますと、手当てがついて戦前だと15,000円位あったら、借家が一軒建ったん ですね。何軒か建てて引退しても飯が食える。それは随分生活水準は下がるでしょうけれども、それは人生哲学の問題ですから、しがみつかなくても俺はこの家 作だけで食って行くとか、あるいは田舎へ入ってしまえば昔は恩給というのがありましたから、食えるというので食えたんですね。戦後、賃金体系も変わるし、 公務員制度も変わりましたから、偉くなっても誰か次官になったらみんな辞めなくてはいけないでしょう。 途中間引きもありますから、その人達は人事政策上そうせざるを得ないのだけれども、その人達にも職業というか生活の道を与えなくてはいけないと思うんです ね。方法論の問題だと思いますよ。本当に力のある人が請われていくのはこれはいいでしょう。一概に全部駄目というのでは公務員になった人はみんな餓死しな ければいかんです。ほとんどね。
永井 特に機密機関、専門の大蔵省ですとか、警察みたいな官庁の人がその関連企業に天下るというのはそれはどうかと。
児島 それはちょっとはもたれ合いになるでしょうね。しかもいただく方の魂胆もあるわけですよね。い やだけども、いただくだけで、全然使う気はないという会社もありますし、いただいて向こうとパイプを繋げてうちの会社のために使ってしまおうという魂胆も ありましょうしね。使う側にも責任あると思いますね。
永井 日本の定年の年令というのは。
児島 僕は分かりませんけど、長生きになってしまいましたからね。やはり60以上生きてしまうんです ね。今の60定年というのは僕はいいと思いますよ。だけど、60じゃ死ねませんし、東京では年金ではおそらく暮らせませんね。夫婦二人になっても。ですか ら、何か副業をやる必要はあると思いますけれど、70以上は絶対に僕は働いちゃいかんと思います。非常に明敏な人で90になっても頭が狂わない人はいます が、それ は稀なのでだんだん老化して来ますよ。そうすると、立派な人でも駄目な人でも70では○○のある仕事を辞めてくれと、責任ある仕事ではルールにした方がい いと思う。その会社ではね。そうしないとだんだん老害が出てきますよ。居心地がいいから、辞めても車だけくれとか部屋がなきゃ俺いやだとかね、ところがみ んな後輩だから首を切りにくいわけ、だから70では、辞めてもらいますよというのを決めた方が僕はいいと思うね。70でも本当にいきいきと働くし、頭も廻 るし、すばらしい成果を出してくるという人はいますよ。でもその人だけ置いて他の人はそこで切るというのは難しいのね。ですから悪平等かもしれませんけ ど、しかも必ず老化してきますから、これは。老化して来るのが周りには分かるけど、本人には絶対分からないんだ。ですからやはり物理的に切ってしまうとい うのがいいと思いますけどね。 僕ももう近いですよ。だから、まず、稽古の段階として社長を辞めたわけよ。引退の稽古ですよ。
永井 うちの父と一緒なんですが。
児島 そうですか。
永井 ずいぶんお若く見えますが。あとカウントダウンを自分でされているわけですか。
児島 してますよ。もちろん。
永井 さくらの散り際まで自分で考えていらっしゃるということですか。
児島 僕は社会的に働こうとは思ってませんが、自分のために生きて死ぬという設計があるんです。これは内緒だから言えませんけどね。
永井 今聞こうと思ったんですけど駄目ですね。やっぱり。
児島 先手必勝。
永井 続いては
一木 私はただの質問魔のようになっていますが。続いては堅い質問なんですけども、今公共工事です ね。景気対策のためにという事で全国の学校や病院を光ファイバーで繋ごうという話が新聞記事なんかに出ているんですけれども、そういった中で児島さんの視 点というか、NTTの視点なのかもしれないですけれども、この未来像というのをどう描かれているんでしょうかね。
児島 長い先では必ずそうなると思うんですよね。民間の資本で、ビジネスでいくのか、ビジネスがお金 を動かして投資という格好で設備をするのか、あるいはお国がやるのか分かりません。いずれにしても近い将来のうちにそう成らざるを得ないと思いますね。そ れが国の政策として早くやった方がいいという事であって、投資したものの果実がお金では帰って来ませんけれども、子供達の教育という中で生きるというん だったら、これも良いと思います。特に自主性のある探索というのは非常に大事だと思いますね。インターネットでどこでも行ける。ルーブル博物館だろうが、 ホワイトハウスだってどこでも入れるわけですから、実はこれを知りたいという時にやっぱり図書館へ走って行って司書さんにお願いしてやるとしても大変です よ。親切な人がしてくれればいいけど、だけどアクセスの仕方を覚えていれば、当てずっぽうにやって るうちに必ず当たりますから、ですから子供達がそういうふうに使ってくれればいいんじゃないですかね。くり返しますが、ほっといても5年か10年のうちに こうなりますよ。必ずね。それだったら早い方がいいと思ってます。そういった工事費とか機械のお金がメーカーなり工事業者に流れるだけというは、これは困 りますね。そこで先生方もきっちり勉強していただいて、子供達もさっき言ったように学校の勉強の他にそれを補強するとか、知識に血を流してあげるための情 報というのはこういう所にあるよという取り方を教えるとかね。そういうのだったら僕は良いと思います。
永井 その取り方に多分関連してくる事なのかなと思うんですけれども、こういう質問もあって、情報過 多社会と少年少女犯罪の相関関係をどう思うかという質問あったんですね。これは短絡的に少年少女犯罪が全てこの性だという事はないと思うんですけれども、 ある意味での影響は与えているというふうに思わざるを得ないと思うんですが。
児島 思いますね。どんなに立派な人でも子供時代というのと、知識の欠除している年代というのはある んですよね。その時にたくさんのそういったような情報を入れられますと、麻痺してきますよね。例えば、殺人という問題でも、どろぼうということだって、人 を殴るとかという事でも、だんだん麻痺して来て、本人は本当に悪い事をやってないと思うんだ。 あんまりひどい事をやってるとは思わないという事になってくると思うんですね。僕なんかも最近ちょっと社長辞めて暇ですから、たまに家に居て見る事がある んですけど、午前中のテレビはひどいですな。あれは。聞いた事もないタレントが離婚したとか、孕んだとかね、ああいう放送が社会的にどんな意義があるん だっていうんだね。しかも、子供達のマンガはまたすごい、バン、キューンとか、やったとか、殺したと かやってるんでしょう。僕の友達で儲からないけど絶対そういうものは作らないと言って儲かってない男がいますけど、やっぱりちょっとひどすぎるんじゃない ですかね。これを古いとかたずけられたら、僕もちょっと悲しいけど、絶対おかしいよ、あんなものは、本当に。
永井 そういういわゆるワイドショーというのが視聴率を取るんですよね。
児島 結局、お父さんだいたい会社へ行ってるから、お母さん達が見るんでしょうけどね。それは結局何 十年前の教育とか、何十年前の社会的情報の注入のされ方というものが今のお母さんを作っているわけですからね。それが子供に行くでしょう。例えば、こうい う話があるんです。子供が学校でゴミを道路に捨てちゃいけないよと言われたので、お母さんに渡した。お母さんはハイと受け取ってパッと捨てたというんだ ね。お母さんが。これは子供がっくりして、ああそうかと言ってまた捨てますよね。お母さんの年代がそういうふうに育ったという事は子供まで影響するわけで しょう。これを社会的に直すというのは、さっき言いましたけど、メカニズムから変えなくちゃいけないし、教育の質も変えなくちゃいけませんから、30年は 僕はかかると思いますね。だけど今から着手しなければ、いつまでたっても30年目が来ないんです。だから、みんなが少しずつ語ってやらないと本当によくな いと思ってますけどね。ただ僕なんかも偉そうに言ってますけれど、実際は仕事をやってる頃は家庭も顧みないし、そういった社会現象にもほとんど音痴で、何 の提言も何の苦言もしてないわけですから、庶民としての責任はあるなと思いますけれど。猿廻しがいるでしょう。猿を調教する時に棒で殴っちゃ絶対に言う事 を聞かないですよ。決定的な場面で言う事を聞かない。肝心なところで、反省なんかしてないんだから。どうやるかという、素手でやるわけ、素手で殴る、つね る、そうすると時には、ガチャガチャですよ。そうやって調教しないと猿は、あいつは棒を持ってるから俺は負けるんだと、対等じゃないという。だから絶対に 立派な猿廻しの猿にならないという。それと同じで教師も、教師の権威とか、それから何か御託で生徒を納得させようとするのは出来ないと思います。殴るとい うのはいけないといいますけど、殴る以上に恐い気迫というがあるはずです。お前なんか本当に首をひねっちゃうよという気合いになったら、強い奴ほど尊敬す るよね。先生を。番長なんてそうなんだから、番長なんてとんでもない奴だけど、強いからみんな尊敬して寄って来るんだからね。だから、先生が番長になれば いいんだよ。番長っていったって、連れて歩いて喧嘩しちゃまずいよ。学校の先生になる人もみんな情熱に燃えて赴任して行くと思うんですよ。若い先生が。だ けど、きっとそういう先生達も壁に突き当たるんだね。社会的な恥部弱点に触れた事もないし、それから、修羅場も通った事もない先生が、きっちり教えるとい うのは使命感があればあるほど、先生方も辛いと思う。ですから、教師なんかも中途採用とかいろいろと混ぜ混ぜにしないといけないんじゃないかなという気が します。
永井 続いて
一木 先程にも関連して真面目な質問になってしまって申し訳ないんですが、皆さんご存知のように NTTは今後分割されると、実は、私は控え室でチラッとお話を伺ってしまったんですけれども、分割されていく中で、世界的に非常な競争の中にいるわけです よね。そういう中で分割になっていくという事でNTTはいったいどうなってしまうのかという事を是非またお伺いしたいなと思うんですけど。
児島 僕は分割反対論者で通してしまったんですけど、企業の目からいきますと、ああいう再編成も活力 を増すし良い事だと思います。ただ一つだけ心配なのは、今は一社でやってますから、研究開発費もずっと3,000億円ぐらい。の金を使ってるわけですね。 だからすごい研究も出て、世界一の特許数ですよ、毎年取っているのはね。ですけど、それが分割されますと、分割された子会社からの株式配当だけで運営し て、それで研究開発の基本もやるという事ですから、それが痩せてくると研究開発費が落ちるわけね。いよいよになって負けたら、外国から技術を買えばいいん ですけど、しかし、国際競争には負けますよね。日本で造る製品の質が悪いから、外国から買ってしまったら、貿易も駄目になりますから、貧者の一燈とまでは 行かないけれど、ある一角を占めているんです、日本の技術開発の。研究開発費がきちんと集まってそこで成果を出すと、それが回り回って国の産業に寄与して 行くという仕掛けを確保しなければいけないと思いますが,トータルとしては再編成は僕はいいと思います。
永井 日々の生活の中で
一木 せっかく、永井さん、私マイク持っているので、会場の方でどなたか質問のある方いらっしゃいますか。 後ろの方に、マイクを持って私が、聞きましょう。
永井 結婚式披露宴の時に友達代表にインタビューしにいく人みたいな感じですね。
参加者
私、内藤といいます。私法律関係をやってましてテレコミュニケーションの事も結構やってるんで すけれども、単純な質問なんですが、私はアメリカに3年いましたけれども、ロサンゼルス←→ニューヨークというのが、だいたい1分10円なんですね、電話 料金。日本だと東京←→大阪が1分、今いくらぐらいでしょう。1分では30円ぐらいだと思うんですけれども、これは基本的には電話というのはケーブルを引 くだけですから、固定費だけだと思うんですが、なぜこれだけ差がついてしまうのかと、これだけ差があると、世界的な競争に日本が負けてしまうんじゃないか と私は思うんですけれども、その辺をお聞かせ願えればと。
児島 一つは過去の料金体系を引き摺って来て、その改革が大胆に出来ないという事ですね。極端にいい ますと、今でも市内を3分30円にさせていただければ、市外通話全部3分30円で行けるんですよ。だけども、かつては料金そのものも法律で決まってました から、国会で変えてもわらないと料金も変えられないというのがつい前まであったんですね。だから、市外で儲けて市内で損をする格好の丼勘定で持つわけ、下 げたくても下げられない。市内を上げれば、市外は下がるんですけれども、一律フラット30円でいくんですけど。今だったら、25円ぐらいで行くかも分かり ませんけどね。そういった歴史的な所産です。それともう一つは、創設費がやっぱりアメリカと違ってものすごく高いですね。それは家が建て込んでいて、非常 に工事費がむちゃくちゃ懸るとか、労賃そのものも日本は高いですから、建設コストが非常に高くなると、そ れをやっぱり料金で取らなければいけない。しかし、ごく近い将来実質的に安い通話が提供されますよ。
永井 今後だんだん変わって来る。
一木 よろしいですか。
内藤 有難うございました。アメリカでも確かに高いところは、例えば、ニュージャージ←→ニューヨークなんかで200円取ったりしますので、やはり競争があるかないかという事だと思うんですね。結局は。有難うございました。
永井 これから、競合社などは国際電話あるいは市外電話に力を入れて、どんどん競争社会になってくると思うんです。その中で独自性というのはNTTどういうふうに出して行こうと思われているんですか。
児島 これは最も難しいんですけど、やっぱり品質なんです。品質料金なんですよね。営業という立場で いうと、お客さんの抱え込みなんですよ。日本だけでなく、外国においても、NTTがドイツならドイツのこのフィールドのお客さんをしっかり取って、NTT 以外のファシリティは使わないというふうなものにして行くのが将来の営業戦略でしょう。だから、世界の顧問キャリアはどこの誰とが提携して、お客さんの抱 え込みをやろうと、こういう事になってるんですけど。もう一つ、今、電話の世界は技術開発しても結局は声の世界ですから、いくら早くしゃべっても2倍に早 くはしゃべれないんです。だから、コンピュータ通信、非電話、ノンボイスの世界の通信をいかに獲得するか。それはやっぱりものすごくハイスピードで送れ て、しかもそれが、絶対寸断のないような設備という、それが売り物でしょうね。
永井 それが品質になってくる。
児島 それは結局は技術開発になるわけ。
一木 それでは、いただいている中から。
永井 伺ってる事に行きましょうか。最近、私、若い人達という言葉にちょっと語弊を感じるようになってきたんですが。そう自分でも若くなってきたので。
永井 一応台本には、今の若い人達に対して感じる事、言いたい事とありますが、今日はここの会場に来れる人達に一言いただければと。
児島 今の若者はどうしようもないというのは、アリストテレスかソクラテスの頃から言われているんで すよね。若者は駄目だというのは有史以来言われて来てる。だけど、その若いのも皆年取って、年取るとまた若い者は駄目だと言っているんで、若い者駄目だと いう事はないんですね。どこがおかしいというと古い人とのその感性が合わない。それと生活習慣が違って来ているからおかしいとかいうのが一つ基本的にある と思います。例えば、昔は日本では外を歩きながら物を食わなかったという事があるでしょう。今は平気でハンバーガーを食いながらと、そういった事も年寄り には不快感はありますね。そういった感性の問題は別にして、基本的には昔も今も若者の本質は変わっていない。自分の確立という点では昔より弱いかな。
児島 それとやっぱり非常に危険な目、殺されるとか大怪我するという体験がないんですね。危ない、危 ないと大事に育てるでしょう。昔は機関車にぶら下がって遊んでて落ちて轢かれそうになったとか、川で溺れそうになったとか、今の犬はおとなしいですけど、 昔きかない犬がいたらそれに噛まれてどうしたとか、、そういった生活体験の中で危険とか、それからこれをやったら危ないというのがありましたよ。恐さを 知っているね。今は恐さを知らないものね。朝晩車で幼稚園から送り迎えなんていう家庭もたくさんおありのようだし、とにかく危ない、危ないで、今日も話し てましたけど、海辺の子供で漁師さんの子供さんだって海で最近は泳がないっていう、プールでなきゃ。自分が修羅場とか危険な場を歩んでなかったら、相手の 人がどんな恐さがするかとか、こうやったらどうなっちゃうかというのが分からないと思いますね。
永井 失礼致しました。 最後の質問。
一木 恒例のですね。皆さん必ず最後に座右の銘というのを伺っているんですけれども
児島 ありません。僕は一番嫌いな質問は座右の銘は何ですか。尊敬する人は誰ですか。なぜかっていう と、トータルで尊敬できる人っていう人はいませんよね。例えば、僕は織田信長というのは歴史上の人物で小説なり、記録に残っているのが正しいとすれば好き ですよね。好きですけど、とことん尊敬できるかは分からない。女子供は殺してますしね。それから、非常に魅力的で好きですけど、全部は尊敬できるという人 は見当たらない。僕は人の良いところ、良いところを盗んでいくのが一番良いと思うんです。良い意味で盗むのはね。ある人をイメージして、その人になろう たって僕はなれないと思う。それと座右の銘といっても、格言の裏表と同じで、そんなもの座右の銘の裏もあるんだから、『和』といっても和ばっかりじゃどう するというんだね。和なんていったら競争も起こらないし、社会の発展もありませんよ。だから座右の銘というのは無い。それから作ろうとは思わないし、それ から尊敬する人というのは答えないという事になってる。
一木 よろしいでしょうか。永井さん、私が変わりにちょっと質問して攻撃を受けましたので
永井 座右の銘、やっぱり聞かれる事も多いんでしょうね。
児島 ほとんど学歴のない人で立派な上司がいたんですよ。その人は子供の時から両親がなくて、転々と おじさん、おばさんの家で育った人なんですけど、苦学実行してわが社に居られた。ものすごく明るくて過去にそんな人だなんて思いもよらなかった。その人は お酒が好きで僕も飲んべえだから、よく一緒に飲んでましたけど、その時に「児島君ね、人間はつき合っていて、人の良いところ、良いところを見て暮らさなけ れば駄目よ」って、「十人なら十人、どこかに良いところがある。悪いところ、悪いところを見て、それを責めて責めてたら人生暗くなるよ」って、「お前さん も駄目になるよ。人の良いところ、良いところを見て暮らしなさい。」って言われましたね。これは良い事を言う、やっぱり苦労人で言うなと思いましたがね。 僕なんか体系的な学問はありませんけど、ほとんどそういう耳学問ですね。100点の人間なんていませんからね。ある人の良いところはいただき、ある人のこ れは尊敬という事ではないでしょうかね。
永井 そういうふうにお考えだという事はある意味で自分以外の全ての人に尊敬の念を持ってらっしゃるという事ですね。
児島 そう、万物全てこれ先生という言葉があるでしょう。師というのは。本当に猫だって見てたら教わる事ありますよ。猫でも犬でも、本当に。そういう事じゃないですかね。
永井 はい、分かりました。どうも有難うございました。お時間も来たようでございます。何よりいろいろなお話を聞いたんですけれども、一番聞きたかったのはやっぱり70歳以降のご予定を本当でしたら伺いたかったので、是非また機会がありましたら、お話を伺いたいと思います。
児島 みんな憧れてしまって駄目ですよ。これを言ったら。
永井 そんな憧れてしまうような事をなさるわけですね。
児島 いや、僕はいいと思ってます。人生哲学違いますから、皆さんがどう思われるか、何人かはうわーっ俺もやりたいというのはいると思うけれども。
永井 聞きたいなあ。それはまあ2年後のお楽しみという事で、本日は長時間に渡りまして有難うございました。どうぞ皆さん拍手をお送りください。
児島 どうも有難うございました。 それから、記録係の人にお願いします。これは生で出されてしまっては僕はちょっと困っちゃうんだよ。しっかり消していただくと。どうも皆さん失礼しました。
一木 ちゃんと秘書の方に。
永井 リバティ・オープン・カレッジ、もう何回やってるんですけれども、今回が初めてだという方もい らっしゃいますか。 初めて。女性の方が増えたのはうれしいですね。もう12回やってるんですけれども、次回以降こんな方を呼んでほしいですとか、今日こんな話が面白かった。 あるいはここちょっと面白くなかったとか、永井の司会はなってない等々、アンケートをお渡ししてます。大丈夫ですか。手元にない方いますか。会場、この後 まだ時間がありますので、是非アンケートを書いて係の者に渡していただきたいと思います。今後の参考にさせていただきたいと思っております。そして次回の リバティ・オープン・カレッジ、今度は13回目になります。また次回お会い出来ます事を楽しみにしております。 どうも有難うございました。
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