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2011/10/31 第27回

2011/10/31 第27回

安倍晋三
座右の銘『一日生涯』

<2011年10月31日開催>

『これからの日本を考える。あぶないぞ日本』

中川昭一氏亡き後、休止していた次世代人材育成を目指す「Lib erty Open College」が再開。2011年10月31日には、今年9月に自民 党総裁に返り咲いた中川氏の盟友、安倍晋三元首相を招き『これ からの日本を考える。あぶないぞ日本。』をテーマに講演を行いました。

内政と外交の両面からこの日のテーマを 語る安倍氏。最初の話題は「3.11からどう 復興するのか」。阪神大震災、関東大震災 時の政府の対応と比較しながら、増税によ り復興予算の財源の確保を図る民主党政権 を厳しく非難した。

「今回は世論調査も珍しく増税を良しとしている。あれだけの災害を目の当たりにし て、自分たちにできることはないかと考え ていただいたんだと思います。人間として はまことに真っ当な姿勢だとは思います。

しかし経済政策としては間違っていると思 います。世界で災害の復興のために増税を した国はひとつもありません。災害によって経済がダメージを受けているときに、さ らに負荷をかければ、経済が立ち直るとい う機会が遠のいてしまいます。なおかつ日本は今、10年以上デフレが続いている。デフレ下で増税しても税収は増えない。増税 は税収を上げるのが目的なのに、これでは 国民にとっては踏んだり蹴ったりだ」と語った。

2007年度の安倍政権時には1%も増税せず に税収を上げた実績を持つ安倍氏は今やる べきことは「名目GDPを増やすしかない」 としたうえで、「消費税の増税のタイミン グを誤ってはならない」と警鐘を鳴らした。

続いては安倍氏の得意分野である外交面 から現在の日本の置かれた状況を語った。
「民主党政権の問題点は日米同盟が悪化し たこと。信頼関係が薄れたんですね」

そして、知っていそうで実はよく理解して いない日米安保条約について解説。
「新安保条約では5条にアメリカは日本を守 るという防衛義務条項が書かれました。

つまりは「21世紀の放送の行方」 まりは日本のためにアメリカの若者は命をかける、ということ。その逆はないんですね」
「そう書いてあるからといって、アメリカが自動的に守ってくれるというわけではない。
“行動対処 する”としか書いてありませんから。命をかける米軍の兵士たちにも、愛すべき家族や恋人がいるかもしれない。そういう人た ちが日本のために命をかけているというこ とを理解し、それを了解しなければ条約は効力を発揮しない、というふうに考えてい ただいたほうがいいんだと思います。その ために何が必要かといえば信頼関係なんです。信頼できる日本のためだったら…とい うことでなければいけませんから、その信 頼関係を踏みにじっては同盟関係自体も危 うくなっていくんですね」

そして普天間問題に関しても「出て行っ てくれの一辺倒では彼らも不愉快だろう」と一連の流れに苦言を呈した。
そしてみんなが気になる尖閣問題。「尖 閣には米軍は行きません。なぜかというと、あそこには誰も住んでいないから。まずは私たちが命をかけて守らなければ、彼らが 守ってくれるわけがない。その延長線上で中国と事を荒立てたときにアメリカは日本とともに戦ってくれるんです。これが日米 同盟だと理解していただきたい。その根本が民主党は分かっていなかったから、現在の状況になっている」と、民主党政権にな ってからの日米同盟の悪化には眉をひそめた。

基調講演の後、元衆議院議員の中山泰秀氏をゲストに迎えトークショーが行われた。
中山氏は安倍内閣時には外務政務次官を務めたとあって、話題はやはり外交問題へ。

冷戦時、1962年に起こったキューバのミサイル危機のときのアメリカのケネディ大統領とソ連のフルシチョフ書記長のケースなどを あげ「外交はゲームに近い。武器を使わない戦争。あらゆる力を使って戦うゲームと思ってもらえれば。相手の出方をうかがうのが大事」としたうえで、「中国との外交はゲーム性が強い。だから間違ったメッセージを出してはいけない。善意は通用しないんです」と語った。

例として鳩山由紀夫総理が日中韓の首脳会談の冒頭に温家宝に向かって放った発言を取り上げる。
「”日米同盟の見直しをして いきたい。東アジア、中国との関係を親密 なものにしていきたい” とテレビカメラの前で語ったんですね。それを見たアメリカ はビックリした。そのときリチャード・ウォーレスという前のアメリカの国防総省の次官補が言っていたんですが”温家宝は鳩 山は全然日米同盟の重要性を分かっていないんだろう。彼らが政権に就いているうち に取れるものは取っておこう、と考えたの ではないか”と。それ以来、東シナ海や尖閣が騒がしいことになっているように思います。それを横目で見ていたロシアのメド ベーチェフは北方領土に上陸した。甘い対応をすると相手が間違った行動を起こすという典型的な例ではないでしょうか」

そして中国のゲーム性の強い外交戦術に屈しなかった例として小泉純一郎元総理を上げた。
質疑応答を終えた安倍氏は最後に「自分の判断基準を持つこと。情報が氾濫している現代だが、それに翻弄されないように、自分で何が正しいのかを判断できる基準をもつことが大切」と聴講者にメッセージを送った。

(2011年11月14日発行・TOKYO HEADLINEより)

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